防犯カメラの補助金・助成金|制度の探し方と申請前の注意点

防犯カメラの設置に使える補助金は、国の一律の制度ではなく、市区町村ごとの制度です。使えるかどうかは住所(法人なら事業所の所在地)で決まり、金額も条件も年度ごとに変わります。

個別の制度は毎年入れ替わるため、この記事では自治体別の一覧ではなく、どの自治体でも通用する制度の読み方をまとめました。個人向け・自治会向け・事業者向けという制度の全体像、募集要綱で見るべき項目、申請でつまずきやすいポイント、そして自分の自治体の制度を5分で確認する手順を、2026年度(令和8年度)に実際に募集されている制度を例に解説します。レンタルやリースが補助の対象になるのかという、意外と情報の少ない論点にも触れます。

防犯カメラの補助金の全体像

ひとくちに補助金と言っても、同じ「防犯カメラ 補助金」という言葉の下に、規模のまるで違う3つの型が混ざっています。

制度の型主な対象規模感の例(2026年度)
個人住宅向け世帯主(住民登録が要件)東京都:世帯あたり上限1万円
町会・自治会・商店街向け地域の団体(街頭カメラ)足立区:費用の96%以内・上限576万円
横浜市:9/10・1台あたり上限28万円
事業者向け法人・個人事業主常設の一般制度は少ない(業種特化・単発が中心)

額にこれだけ差がつくのには理由があります。自治体が手厚く補助するのは、道路や公園といった地域の公共空間を見守るカメラです。足立区の町会・自治会向け事業(令和8年度)は設置費用の96%以内、上限576万円まで補助しますが、そのぶん「防犯に関する見守り活動を月1回以上続けること」が条件に入っています。カメラ代の補助というより、地域ぐるみの防犯活動への支援だからです。

個人住宅向けは、侵入強盗事件が続いた2024年以降に広がった比較的新しい型で、額は控えめです。東京都の防犯機器等購入緊急補助事業(令和8年度)では、防犯カメラやカメラ付きインターホン、防犯フィルムなどの購入・設置費用に対して世帯あたり上限1万円(都と都民で半額ずつ負担)。申請窓口は都ではなく区市町村です。

そして、法人が自社の倉庫・事務所・駐車場に付けるカメラへの補助は、正直に言うとほとんどありません。あっても商店街や組合単位の制度、保育・介護のような特定業種の安全対策事業の枠で、単発のものが中心です。自社の資産を守るためのカメラは自己負担が原則、というのがいまの構図です。

募集要綱の読み方

制度の中身は自治体ごとに違いますが、募集要綱の構造はほぼ共通しています。読むべき項目は対象者、対象経費、補助率と上限、申請期間の4つです。

対象者

誰が申請できるか。個人向けなら住民登録、団体向けなら「一定の区域の住民によって構成される団体」のような区域要件が付きます。町会・自治会のほか商店街振興組合が対象に入る制度も多く、マンションの管理組合が共用部のカメラで対象になる自治体もあります。事業者の場合は、そもそも対象者の欄に「法人」が書かれているかをまず確認してください。書かれていなければその制度は使えません。

対象経費

原則は機器購入費と設置工事費です。横浜市の地域防犯カメラ設置補助金(令和8年度)を例にすると、対象はカメラ本体・録画装置・独立柱・モニターなどの購入費と設置工事費、それに「防犯カメラ作動中」の看板設置費。対象外として、リース・レンタル料、維持管理費、保守点検費、電気料が明記されています。

つまり補助金が薄めてくれるのは初期費用だけで、月々の電気代や通信費、故障時の修理費は自己負担が続きます。維持管理費向けの助成を別枠で用意している自治体もありますが、少数派です。導入後に毎月いくらかかるかは、補助金とは切り離して見積もっておく必要があります。

補助率と上限

町会・自治会向けは補助率9割前後、上限は数十万〜数百万円と手厚い制度が目立ちます。個人向けは定額で上限1〜2万円程度が相場です。補助率と上限のどちらか低いほうで頭打ちになる点には注意してください。たとえば補助率9/10・上限28万円の制度で40万円のカメラ一式を入れると、受け取れるのは36万円ではなく28万円です。

申請期間と予算枠

多くの制度は4月に募集が始まり、6月末や9月末で締め切られます。そして忘れられがちなのが予算枠です。補助金には年度の予算総額があり、申請が集中すれば締切前でも受付が終わります。使うと決めたら年度の早いうちに動く、が鉄則です。

申請から設置までのスケジュール

補助金を使う場合、時間の感覚を最初に持っておいたほうがいいです。足立区の令和8年度事業を例にすると、申請受付が4月1日から6月30日、交付決定が10〜11月頃、設置工事は交付決定後の11月から翌1月末まで。つまり春に申請して、カメラが実際に付くのは年末です。

自治会向け設置補助の年度スケジュール(典型例)申請受付4〜6月審査7〜9月交付決定10〜11月契約・設置11月〜1月実績報告・入金2〜3月この期間に購入・契約すると補助対象外発注・契約は交付決定通知が届いてから
足立区の令和8年度事業をもとにした流れ。申請から設置完了まで、おおむね半年から10か月かかる。

この時間感覚は、それ自体が落とし穴になります。「不審者が出た」「車上荒らしが起きた」からカメラを探し始めて、そこで補助金を見つけて申請の流れに乗ると、肝心のカメラが半年以上付かないまま過ごすことになるからです。急ぎの事情がある場合の考え方は、記事の後半で扱います。

申請の落とし穴

交付決定前の購入・契約

最も多い失敗がこれです。補助金は申請 → 交付決定 → 購入・契約 → 設置の順番が絶対で、交付決定の通知より前に発注・契約したものは対象になりません。横浜市の案内でも、機器購入や工事契約ができるのは交付決定通知の後と明記されています。「どうせ通るだろうから先に付けてしまおう」は、ほぼ確実に全額自己負担で終わります。見積もりを取るところまでは問題ないので、業者選定は進めつつ、発注だけは決定通知を待ってください。

設置した後の義務

補助金をもらって終わり、ではありません。制度によって、撮影中であることを知らせる看板の掲示、管理責任者の選任と運用基準の整備、年度末の実績報告などが義務付けられます。足立区の見守り事業のように、月1回以上の見守り活動の継続が要件になっている制度では、カメラを付けた後も活動記録を残し続けることになります。誰がその実務を引き受けるのかは、申請前に団体の中で決めておいたほうがいいです。

年度をまたげない

補助事業は原則としてその年度内(3月末まで)に設置と支払いを完了させる必要があります。秋に交付決定を受けてから業者の工事枠が埋まっていて年度内に終わらない、という事態を避けるため、申請段階で業者と工期の見通しを共有しておくのが安全です。

自分の自治体の制度の探し方

ここまでの型を頭に入れたうえで、実際に探す手順は3ステップです。

  1. 「市区町村名+防犯カメラ 補助金」で検索する — 開くのは lg.jp ドメインの公式ページ。業者のまとめ記事は更新が追いついていないことがあるので、必ず自治体の一次情報で金額と期限を確認します
  2. 見つからなければ担当課に電話する — 窓口は防犯・危機管理・生活安全といった名前の課です。ウェブに載る前の新制度や、次年度の実施予定を教えてもらえることもあります
  3. 事業者は J-Net21 でも検索する — 中小機構が運営する支援情報ヘッドラインで、地域とキーワードを指定して国・都道府県の補助金・助成金を横断検索できます。防犯カメラ単体の制度は少ないものの、業種向けの安全対策事業がヒットすることがあります

制度情報が動くのは4月の年度替わりです。検索して前年度のページしか出てこない場合、廃止されたのか、まだ更新されていないだけなのかは外からは分かりません。今年度の実施予定を電話で確認するのが結局いちばん早いです。

レンタル・リースと補助金の関係

ここは制度によって正反対なので、思い込みで進めないでください。横浜市の設置補助金はリース・レンタル料を対象外と明記しています。一方、足立区の見守り事業は、賃借(リース)で設置する場合に初年度に支払う賃借料と取付工事費を対象にしています。同じ首都圏の自治会向け制度でも、このくらい割れています。

確認するポイントは3つです。要綱の対象経費に賃借料・リース料の記載があるか。あるとして、対象になるのは初年度分だけか(2年目以降の支払いは自己負担が普通です)。そして、通信費込みの月額レンタルのようなサービス型の契約を「賃借料」として扱ってもらえるかどうか。最後の点は要綱だけでは判断できないことが多いので、窓口に契約形態を伝えて直接確認するのが確実です。

正直に書いておくと、当社ヒイヅルのような月額制のレンタルは、補助の対象にならない制度のほうが多数派です。補助金を最大限使うことが最優先なら、機器を買い取って設置工事をする形が王道になります。レンタルが向くのはその逆で、補助金が使えない・待てない・そもそも対象でない、という場面です。

補助金を待つかどうかの判断

型ごとに答えが違います。

町会・自治会・商店街の街頭カメラなら、待つ価値は大きいです。設置費用の9割以上が出る制度を使わずに、数十万円のカメラ一式を自腹で入れる理由はありません。年度当初の募集に合わせて前年度のうちから見積もりと合意形成を済ませておき、4月に申請を出すのが理想の動き方です。

個人向けの1〜2万円は、性格が違います。これは導入の背中を押すための少額補助で、カメラ本体と設置費の大半は自己負担です。もらえるなら申請すればいいですが、この補助金を待つためにカメラの設置を何か月も遅らせるのは本末転倒です。すでに不審者や被害が出ているなら、先に付けるほうが合理的だと思います。

法人は、そもそも待てる制度がほとんどない、というのが実情です。使える制度を探して時間をかけるより、初期費用を抑える調達方法を考えるほうが早く結果につながります。購入・リース・レンタルの費用構造の違いは防犯カメラのリースのガイドで詳しく比較していますが、月額数千円のレンタルなら、補助金の交付決定を待つ半年間の空白をつなぐ使い方もできます。自治会の申請が通るまでの間だけ短期レンタルで現場を見ておく、という組み合わせも実際に選べる手です。

よくある質問

Q. 個人でも防犯カメラの補助金は使えますか?
使える自治体が増えています。東京都は令和8年度、防犯カメラやカメラ付きインターホンなどの購入・設置費用を世帯あたり上限1万円補助しています(都と都民で半額ずつ負担、窓口は区市町村)。ただし全国どこでもあるわけではないので、お住まいの市区町村の公式サイトで確認してください。
Q. 法人が自社に設置する防犯カメラに使える補助金はありますか?
自社の倉庫・事務所・駐車場に付けるカメラを直接補助する常設の制度は、ほとんどありません。あるのは商店街・組合単位の制度や、保育・介護など特定業種の安全対策事業の枠が中心です。中小機構のJ-Net21(支援情報ヘッドライン)で地域とキーワードを指定して検索すると、その時点で募集中の制度を確認できます。
Q. レンタルやリースの防犯カメラも補助金の対象になりますか?
制度によって正反対です。リース・レンタル料を対象外と明記する制度(横浜市の地域防犯カメラ設置補助金など)が多数派ですが、賃借で設置する場合の初年度賃借料と取付工事費を対象にする制度(足立区の見守り活動支援事業など)もあります。要綱の「対象経費」の項目で確認してください。
Q. 交付決定の前にカメラを購入・契約してしまったらどうなりますか?
原則として補助の対象外になります。補助金は申請 → 交付決定 → 購入・契約 → 設置の順番が絶対で、交付決定前に発注したものは救済されないのが普通です。見積もりの取得までは問題ありませんが、発注と契約は交付決定通知が届いてからにしてください。
Q. 申請してからどのくらいで設置できますか?
自治会・町会向けの設置補助では、春に申請して秋に交付決定、年末に設置という流れが典型です。足立区の令和8年度事業では申請が4〜6月、交付決定が10〜11月頃、設置完了が1月末まででした。申請から設置まで半年から10か月を見込んでおく必要があります。
Q. 自分の自治体に制度があるか、どうやって調べればいいですか?
「市区町村名+防犯カメラ 補助金」で検索し、lg.jpドメインの公式ページを開くのが確実です。見つからなければ市区町村の防犯・危機管理担当課に電話で確認します。事業者向けの制度はJ-Net21の支援情報ヘッドラインでも検索できます。制度情報は4月の年度替わりに更新されるため、前年度のページしか出てこない場合は新年度の実施予定を窓口に確認してください。

まとめ

防犯カメラの補助金を検討するときの要点を振り返ります。

  • 補助金は市区町村単位・年度単位。国の一律制度はない
  • 手厚いのは町会・自治会・商店街の街頭カメラ向け(補助率9割超の例も)。個人向けは上限1〜2万円程度。法人の自社設置向けはほとんどない
  • 対象経費は機器購入費+設置工事費が原則。電気代や保守など月々の費用は自己負担が続く
  • リース・レンタル料は対象外の制度が多いが、賃借料の初年度分を対象にする制度もある。要綱の対象経費で確認
  • 交付決定前の購入・契約は対象外。順番だけは絶対に守る
  • 春に申請して設置は年末、が典型的なスケジュール。急ぎの現場には間に合わない
  • 探し方は「自治体名+防犯カメラ 補助金」で公式ページ → 担当課に電話 → 事業者はJ-Net21

ヒイヅルの防犯カメラレンタルという選択肢

最後に、補助金が使えない場面や、交付決定を待てない場面の選択肢として、当社ヒイヅルの防犯カメラレンタルを紹介します。SIM内蔵で4G/LTE通信込みのため回線契約や配線工事は不要、電源に挿せばその日から映像をスマホで確認できます。初期費用を抑えて月額だけで始められるので、補助金なしでの導入でも資金負担は小さく済みます。機材は自然故障なら無料交換の永久保証付きで、警察から映像提供を求められた際の対応も当社が代行します。

長く使う場所には、ライト自動点灯のカラー夜間撮影を備えたスタンダードプランを。自治会の交付決定待ちの間のつなぎや、まず様子を見たい場合には、1ヶ月単位・初期費用0円の短期レンタルプランが合います。SIM内蔵カメラは設置場所の電波状況で使い勝手が変わるため、契約前に2週間の無償トライアルで実際の電波と画角を確かめてから判断できます。

※ヒイヅルは法人専用のサービスです。個人・個人事業主での契約はできません。

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